出典:[Yahoo!ニュース「練馬で男性遺体見つかる 無理心中で死亡の母が借りた部屋の捜査で]

■ はじめに:2つの死が交差する
2025年12月19日、東京都西東京市の住宅で、36歳の母親と3人の息子が死亡しているのが発見された。
警察は「無理心中」の可能性が高いと発表した。
だがその4日後、事件は思わぬ方向へ展開する。
母親名義で借りられていた練馬区のマンションの一室から、27歳男性の刺殺遺体が発見されたのだ。
この2つの死は、地理的にも時間的にも分断されている。
しかし、母親という一点を通じて、**「家庭の死」と「他者の死」**が交差する。
この交差は、何を語っているのか。
カタレル的に読み解いていこう。
■ 1. 「家庭内の死」は本当に“完結”していたのか?
西東京市の事件は、当初「家庭内の悲劇」として整理された。
・外部からの侵入なし
・施錠された室内
・母親が子どもを殺めた可能性
この構図は、
「家庭という閉じた空間で起きた死」
という語りを生む。
しかし、練馬区の刺殺遺体の発見によって、
この語りは大きく揺らぐ。
母親は、家庭とは別にもう一つの生活空間を持っていた。
そこには、交際関係にあったとされる男性が住み、
そして死んでいた。
つまり、事件は「家庭内で完結した死」ではなく、
**「家庭と外部が交差した死」**だった可能性がある。
■ 2. 「母親の二重生活」が語るもの
練馬区のマンションは、母親名義で2025年3月に契約されていた。
そこに住んでいたのは、27歳の会社員・中窪新太郎さんとされる。
配達員の証言によれば、
・男性が荷物を受け取っていた
・時折、女性が応対することもあった
という。
この証言は、母親が家庭とは別に、
もう一つの生活圏を持っていたことを示唆する。
この「二重生活」は、
・家庭の中での役割(母親)
・外部での関係性(交際相手)
という二つの語りの断層を生む。
そしてその断層が、
二つの死を生んだ可能性がある。
■ 3. 「死の順序」が語る構造
練馬区の男性遺体は、
・腹部や太ももなど十数カ所の刺し傷
・腐敗が進み、死後数日以上経過
・クローゼットに隠匿されていた
という状況だった。
つまり、西東京市の事件より前に殺害されていた可能性が高い。
この順序は、
・母親がまず交際相手を殺害
・その後、家庭内で無理心中
という構造を示唆する。
この構造は、
「家庭の死は、外部との関係の破綻によって引き起こされた」
という語りを生む。
■ 4. 「家庭」という語りの限界
事件は当初、「家庭内の問題」として語られた。
だが、練馬区の遺体の存在は、
家庭という語りの限界を突きつける。
家庭は、閉じた空間ではない。
・外部との関係
・秘密の生活
・感情の交差点
として、常に外部と接続されている。
今回の事件は、
「家庭の死は、社会との断絶によって起きる」
という構造を浮かび上がらせる。
■ 5. カタレル的まとめ:死は語りの断層に宿る
西東京市と練馬区。
2つの地理的に分断された空間で起きた死は、
母親という一点を通じて交差した。
この交差は、
・家庭という語りの限界
・外部との関係性の断絶
・二重生活の構造
・死の順序が語る因果
を浮かび上がらせる。
カタレル的に言えば、
「死は、語りの断層に宿る」。
この事件は、
家庭という語りを超えて、
社会と個人の関係性の崩壊を物語っている。

