出典:[Yahoo!ニュース「箱根駅伝大改革 記念大会は4年に一度で26チーム 通常大会も24チーム]

2025年12月、箱根駅伝は大きな改革を発表した。
2028年からは「記念大会」を4年に一度開催し、全国の大学にも門戸を開く。
通常大会も出場校が21→24に増える。
しかし、そもそもなぜ箱根駅伝は「関東の大学しか出られない」のか?
この記事では、制度的な背景と全国化の構造的課題を読み解く。
■ 1. 箱根駅伝は“全国大会”ではない
まず前提として、箱根駅伝は
**関東学生陸上競技連盟(関東学連)**が主催する地方大会だ。
つまり、出場資格は
関東学連に加盟する大学のみ。
この制度は1920年の第1回大会から続いている。
■ 2. なぜ関東限定なのか? ― 3つの構造的理由
● 理由①:発祥が関東だった
箱根駅伝は、金栗四三らが「世界に通用するマラソン選手を育てたい」と
関東の大学陸上関係者が立ち上げた大会。
当時、大学駅伝という競技自体が珍しく、
関東の大学だけで始めるのが現実的だった。
● 理由②:地理的に“関東往復”しか成立しない
箱根駅伝は東京・箱根間の往復217.1km。
このコースは関東の地理に特化して設計されている。
全国の大学が参加するには、
- 長距離移動
- 宿泊費
-交通費
などの負担が大きく、現実的ではなかった。
● 理由③:正月開催という特殊性
箱根駅伝は1月2・3日という“正月”に開催される。
この時期に全国から選手を集めるのは、
日程調整・安全管理の面で難しい。
■ 3. 全国化の試みとその限界
● 第100回記念大会(2024年)で初の全国化
この大会では、全国11校が予選会に参加。
しかし、関東以外の大学は本戦出場を果たせなかった。
→ 京都産業大が最上位で27位。
→ 予選通過ラインとの差は14分以上。
競技力の差が浮き彫りになった。
● 2028年からは4年に一度の全国化へ
関東学連は「五輪イヤーに合わせて全国化する」と発表。
- 通常大会:関東限定(24チーム)
- 記念大会:全国予選あり(26チーム)
この制度は、
**「箱根から世界へ」**という理念に基づいている。
■ 4. なぜ全国化が“毎年”ではないのか?
● 理由①:運営負担が大きすぎる
全国化すると、予選会の規模が膨大になる。
交通・宿泊・安全管理のコストが跳ね上がる。
● 理由②:競技力の差が大きい
現時点では、関東の大学が圧倒的に強い。
全国化しても、地方大学が本戦に出られない可能性が高い。
● 理由③:箱根駅伝は“関東の文化”でもある
正月の風物詩として、関東圏の視聴者に根付いている。
全国化すると、地域密着型の魅力が薄れる懸念もある。
■ 5. カタレル的まとめ ― 箱根駅伝は“制度の物語”である
箱根駅伝が関東限定なのは、
単なる排他性ではなく、制度と地理と文化が絡み合った構造だ。
そして今、
その構造に“ゆるやかな穴”が開き始めている。
- 五輪イヤーに全国化
- 出場枠の拡大
- 地方創生という新たな理念
箱根駅伝は、
「関東の大会」から「日本の文化」へ
少しずつ進化している。

